地域のつながりで子どもを支える専門里親
●Vol.003
Cさん(専門里親・50代・女性)
「大変だったね。だけど一緒にいようね」 地域のつながりで子どもを支える専門里親

ー里親歴12年のCさんは、専門里親として活動中。現在も、医療的・心理的ケアが必要な子どもを2人(8歳男児、6歳女児)、養育しています。里親になろうと思ったきっかけ、家庭の様子、活動をしていて難しいと思うこと――。Cさんが色んな体験をお話しくださいました。
「経験が少しでも社会の役に立てたら」 里親登録に踏み出したきっかけ
Cさん:私が里親になったきっかけですが、私の実家の両親は里親をしていました。私もいつかはとは思っていたのですが、なかなか踏み切れませんでした。そんな中、5人目の子どもをとても小さく、未熟児として産み、医療で手術を受けたりして助けてもらいました。小さい小さいわが子を抱きながら、この体験、経験が少しでも、社会の役に立てればと感じ、夫と里親登録を決心しました。
私は、結婚前、看護師をしていたので、もし自分の子どものように医療を必要とする子がいれば、ぜひ預かりたいなという思いで、登録に踏み出しました。
子どもの明るさと生きる力を感じる 里子との毎日の生活
Cさん:里親の家庭にくる子ども達は、多かれ少なかれ何らかの心の傷を負った子ども達です。そのために、里親家庭に適用しようと試し行動したり、赤ちゃん返りがあったり、言葉の遅れや発達の遅れ、愛着障害など、いろいろな問題行動もあります。「養育が難しいなあ」と思うこともあります。
しかし、子どもが抱えてきた背景、家庭環境、生育歴、それによる二次障害としての問題行動があるということを、他人事ではなく、我が事として、その子の苦しみに思いを馳せることが、大切だと思っています。
「大変だったね。だけど一緒にいようね」の共感性があっての生活。その積み重ねの中で、子ども自身が「私はここに居ていいんだ」「見放さないでいてくれるんだね」という安心や、積み重ねがあることで安心でき、子ども自身で成長する力が沸いてくるんだと思うんです。
毎日子どもと接していますと、子どもの明るさ、生きる力を感じます。「里子ちゃんの子育て大変でしょ」とよく言われるんです。年齢的なこともあります。子育ては体力も要ります。精神力もすごく使うと思います。子育てはやはり一人でするものではないと強く思います。
支えになっている地域のつながり
Cさん:現在、6カ月の時に病院からうちに来てくれた、8歳になる障害を持った男児を預かっています。この子は病気もあり、知的な遅れもあり、とても一人では育てることができません。家族や親戚、ご近所さんに児童相談所の方、病院の先生、リハビリの先生、市役所の方や保健師さん、養育のスタッフ、放課後等デイサービスの方、養護学校の先生と、本当に沢山の方に手をかけてもらい、心をかけてもらって、ちょっとずつ里子は成長、発達しています。
6歳の女児は、町内でのごみ拾いやお祭りの時には声をかけてもらい、嬉しそうにしています。
近所の人や、地域社会、専門機関との、相談しやすい良い関係性が、子どもを育てる上で、とても大切だなと思っています。
里親になって、沢山の方と関わりながら里子を育て、いろいろな方とご縁ができたことは、私の人生にとって、とてもプラスになっています。今、里子が生活している地域で、いろいろな方と関わりながら、子どもがのびのびと成長できることを望んでいます。
家庭の温かさを子ども達へ 里親になろうと思っている人へのメッセージ
Cさん:活動をしていてよかったことは、毎日の生活の中で、子どもの成長を感じられることです。かわいい笑顔、笑う楽しさ、子どもが持っている明るさ、生きる力を感じています。
ある子どもに「あなたにとって、家庭、家族とはどんなところですか?」と質問すると、「湯気が上がっているところ」と答えました。お風呂の湯気、炊飯器の湯気、お味噌汁の湯気、お鍋の湯気…
それを囲んでいるのが家族だなぁと思います。
その湯気を囲めない子ども達が、日本に4万2千人いると言われています。楽しい時に笑い合い、悲しい時は泣いて慰め合う。家庭とは、そんな共有する時間と営みがある場所です。そんな家庭の温かさを必要としている子ども達が沢山います。
里親制度は、そんな子ども達を支える大切な仕組みです。少しでも知ってみよう、やってみようと思われる方は、里親制度説明会が毎月開催されていますので、行ってみてください。
※里親啓発シンポジウム内の体験談発表より、ご本人了承の下掲載。













