里親センターなら【奈良県天理市】

Experience

里親体験談

里親歴25年の養育里親

Vol.001

Aさん(養育里親・60代・女性)

「子どもとのつながりがあったから」里親活動を続けて25年の養育里親さんに聞く

奈良県で里親をするAさんは、里親歴25年。現在もたくさんの子どもたちと、にぎやかな毎日を送っています。

Aさんの元では、今まで約40人のこどもたちが、縁あって育ってきました。

里親にはどんな悩みがあるのか。里親にどんな喜びを感じているのか。Aさんにお話をうかがいました。

 

「私もなにかしたい」里親になろうと思ったきっかけ

ー里親になろうと思ったきっかけを聞かせてください。

 

きっかけは新聞です。当時、里親をされている方の記事を読んで、その時初めて「里親」という言葉を知ったんです。「私もなにかしたいな」「困っている人を助けたいな」。そういう思いを抱いていたこともあり、すぐに里親制度の説明を聞きに行きました。説明してくださった方は里親をされていました。そこでのお話に大変感銘を受けたんです。「ぜひやらせてもらいたい」そう思い、登録に踏み出しました。

 

心に残っている、初めての委託

ー初めて里子がお家に委託されたときのことについて聞かせてください。

 

昔は里親も少なかったので、登録が終わってすぐ委託の話がありました。初めての委託は、一か月間の短期委託。お母さんが入院することになった赤ん坊を預かってほしいという連絡が来ました。当時、乳児院の定員が埋まっていたこともあり、連絡が来たんです。

 

久しぶりの赤ちゃんだったので、緊張もありました。けれども、小さい赤ちゃんで、とても可愛くて。娘たちも、「私がミルクあげる!」と言ってくれたり。夫も、仕事から帰ってきて、寝ている赤ちゃんをわざわざ抱き上げたり。そんな風に、家族みんなで可愛がっていました。家がパアッと明るくなったのを覚えています。それが出発点でした。

 

 

大変だった初めての長期委託と、乗り越えられた理由

これまで25年間、約40人と里子を育てきたAさん。15年近くも長期委託で迎えたこどもたちもいるそうですが、中には、大変な日々もあったよう。今回は、そんな子たちの思い出についてもお聞きしました。

 

ー初めての長期委託について聞かせてください。

 

3歳で来た男の子がいました。20歳の自立まで17年間一緒に過ごしました。今でも、つながっています。色々仕事をしながら、一人暮らしを送っています。この子は3歳の頃、何をしても「イヤだイヤだ」と言ってきてたんですね。靴下の長さが気に食わなくて、「イヤだ!」と言って脱ぎ捨てて履かなかったり。愛情に飢えていたこともあって、自分のことを見て欲しい思いがとても強かったんです。しばらくたって、お家に医療的なケアが必要な子が委託されたんです。そんな時でも、その子は自分を一番に見てくれていなかったら気に食わない思いを感じたりするような子でした。その子とは色々うまくいかなかった思い出がありますね。

 

ー里親を辞めようとか思われたことはなかったのでしょうか。

 

里親を辞めようと思ったことはないです。ピークの時は、他の委託の子が来てドタバタしているときに、その子から「もう里親やめたらいいやん!」って言われたこともありました(笑)でも、辞めたいと思ったことはないです。

 

ーそこから、里親を続けられた理由はありますか。

 

それはやっぱり、子どもとのつながりがあったからだと思います。子どもが来て、そこで繋がりができる。色々な子達も来たけど、やっぱり長期で元々居た子が柱となって、新しく来た子の面倒も見てくれました。そこで子どもたち同士もつながりができますよね。これを「や~めた」というのは私はできないし、したくなかったです。

 

里子の成長と喜び

ー色々大変なことがあったかと思われますが、関わってきて里子が成長したなと思ったことはありますか。

 

それはあります。色々これまで一緒に生活をしていて積み上げてきたものもあると思います。色々あったけど、今では、いろんなことに感謝する気持ちを抱いてくれています。感謝の気持ちがあったから、高校生活を過ごすことができたとか。そういう気持ちを言葉にしてくれたりします。そういうときに、この子も成長したなと思います。今では、その子も一人暮らしをなんとか頑張っています。

 

もう一人、長期委託で3歳から20歳まで居た子がいます。その子も自立したあともつながりがあります。私のことを「おかん」って言ってくれます。その子は、今は保育士として、他県の児童養護施設で頑張って働いています。うちの里親業を継ぎたいと言ってくれています。ありがたいですよね。

 

「肝心なことは踏み出すこと」里親になろうと思っている人へのメッセージ

ー色々な貴重なお話をありがとうございました。最後に、里親になろうと思っている方、悩んでいる方へのメッセージがあればお願いします。

 

私は、里親をやってみたからこそ、普通の子育てでは感じられないことを、山ほど経験させてもらいました。子ども自身が持っている力を知ることができました。子どもは無防備で、発信もしづらいし、そういう術をあまり知らないです。でも、その中でも、色々頑張って大人を巻き込む力がある。「子どもってすごいな」と思います。実子を育てているときは、そこまで考えたことはなかったです。里子たちと触れ合う中で、色んな経験ができました。

 

私も、新聞を見た時に、やってみたいと思って話を聞きに行ったところから始まりました。やっぱり、興味を持ったら、やってみたらいいと思います。肝心なことは踏み出すこと。登録もしてみて、もし、自分に出来そうにないと思ったらやめてもいいと思います。でも、やってみたいと思ったら、ぜひやってみてほしいと思います。